乳用牛の品評会がニセコ町でも開催。Black & White ショーをご存じですか?!
こんにちは!ニセコ町地域おこし協力隊の伊藤です!
北海道は酪農も盛んで、車を走らせれば牛さんを道路脇に見ることはよくある光景です🐮。
2024年4月23日、ニセコ町の共進会場で行われたのは、牛さんたちが主役になる「後志 B&Wショー」。
歴史は長く、今回で第47回を迎えます。
決して新しいイベントではなく、広報誌でも、毎年 ”まちの話題” で取り上げられている催しです。
🐄B&Wショーとは、一体どんなものなのか???
ーこの『後志 B & W ショー』を皆さんご存知でしたでしょうか?一体どんなものなのか???
全道の共進会は、行政ではなく北海道総合畜産共進会実行委員会が主催しており、道内で飼育されている優良家畜の展示を行い、飼養者に具体的な使用管理並びに改良増殖の目標を与え、その生産意欲を高めることによって、畜産経営の安定的発展に資することを目的としています。
昨年2023年の第18回北海道総合畜産共進会「乳用牛部門」の模様>>
昨年2023年の全日本大会の模様>>
🐄B&Wショーは何のためにやっているの?
ショーに出品するためには、病気では無いという獣医師の証明書が必要であるなど、家畜の衛生条件をクリアしなければなりません。
加えて、11項目におよぶ牛の資格条件を満たす必要があります。
今回の審査員は、ホルスタイン改良同志会の会長などの経歴を持ち、西紋B&Wショー、えんゆうホルスタインショー、JAゆうべつ町ホルスタイン共進会で審査履歴のある渡辺さんが務められました。
125頭もの飼養頭数を持つ訓子府町の酪農家さんです。
ー何のためにこのショーを開催しているのでしょうか?
開催要項にはこうありました。
酪農業が途絶えることのないよう、未来も見据えたとても前向きなショーなのですね。
🐄潜入!「後志B&Wショー」
実際に見に行ってみることにしました!(昨年から気になっていたのでとてもワクワクします)
この日は気温15℃。まだまだひんやりした空気漂うニセコ町。
生憎の曇り空でしたが、空気が澄んでいて気持ちがいいです。
広報ニセコ担当カメラマンの澤田さんと共に会場を訪れると、多くの関係者と牛さんがいて、会場は熱気を帯びていました。
ずらっと並んでいる牛さんの控室(?)。
牛さんが、出番を待つ ”出演者” のように見えますね。
開催地である、ニセコ町からは、代表して副町長が御挨拶されました。
GOLDに輝く牛が付いている、各賞のトロフィー。
どの牛さんの手に!?・・楽しみです。
”ブラック & ホワイト”と名が付くので、白と黒のコントラストが一番美しい牛さんを選ぶのかな?・・と想像しましたが違いました。
腰の位置や、大きな乳を支えられる骨格が優れているか、体全体のバランスが優れているか、歩行移行時の運びが優れているかをみていくとのこと。
🐄ドライヤーとブラシを使い、牛さんをメイクする
しかしながら、ブラック&ホワイトショーに出場する牛さんたちは、私が知っている牧場で過ごす牛さんと、何かが違います。
ヘアーメイクしているじゃありませんか!
ドライヤーで毛をブラッシングして立たせてから、カットして長さを揃えて整える。
艶出しスプレーをかけて仕上げのセット。
よく見ると、全体的に地肌が透けるほど毛が刈られていて、胴体が薄っすらとピンクがかっています。
腹の部分は毛足を残して長めに整えられていますね。ツーブロックカットになっていました。
尻尾は、犬のプードルのようですね。とてもキレイな白で毛先はふわふわしていて気持ちよさそう。
ブラック&ホワイトショーは、ただの白黒のコントラストを競うものではないようです。
見るからにとっても美しく綺麗な状態の牛さんです。
緊張感が漂う会場には、黒松内町から26頭、真狩村から20頭、ニセコ町から6頭、この日のために準備してきた牛さんたちがきていました。
小さい子牛から、大人の人間の背丈を超えるほどの大きな牛まで様々です。
🐄驚きの牛さん専用グッズの数々
会場内には、数々のグッズを取り扱うブースが。
尻尾を整える専用の道具がありました。
パッケージの写真に衝撃をうけました。尻尾を輪の中に通して、ボサボサの毛を切るんですね。
他にも、金物のブラシがありました。
販売ブースのひとに伺いましたら、ショーに牛さんが出場するにあたり、お尻に糞が付いていてはいけないので、除去して毛をブラシできれいに溶かすそうですが、糞は乾燥してしまうと固くこびりついていてなかなか取ることが難しいそうです。そうした場合に、こちらの金ブラシを使用するとのこと。
ひとが使えば、たちまち傷だらけになりそうなブラシです。
もうひとつ、牛に使うものなのか?と疑問に思ったのが、”ホットアイロン” と書かれた商品。
これは、生々しい話ですが、家畜の保護のため牛の角を切ると大量に血が出てくるそうで、止血するために傷口を焼く必要があるとのこと。その際に使用するバーナーとのことです。
ドライヤーやバリカンコーナーには、人間も使用するPanasonic製品が並んでいました。基本的にはアメリカ製のものが多いということです。
🐄牛さんが毎日練習を重ねたというランウォークを披露!
共進会のために作られたという、会場のランウェイ。
皆が注目する中を歩くのは人間でも緊張します。
ふだん牧場で過ごす牛さんたちにとっては、もっと慣れないはず。
会場にいた関係者に聞いたところ、出場する牛さんは、毎日ランウェイを歩く想定で練習をしているとのことです。
始まりました!ゆっくりと白線に沿って1頭ずつ歩いてきます。
担当飼養者がぐっと体を寄せて手綱を引き、押さえて落ち着かせるようなシーンも見られ、ランウォークがいかに難しいかがわかります。
中には自由に動き回ってしまう牛さんも。
まっすぐに歩くことが出来なかったり、「モ~!」と声をあげたりする場面も見られました。
審査員は、整列した牛さんたちをじっくりと眺め、腰の位置や、大きな乳を支えられる骨格であるか、体全体のバランス、歩行移行時の運びはどうかなど、丁寧に判定していきます。
牛さんはランウォークを終えると、小走りにスキップをしながら会場を出ていきました。
そんな牛さんたちを見ていると、思わず笑みがこぼれます。
無事に出演を終え、緊張から解放されたのでしょう。
🐄観覧者も投票、審査員気分に
会場で配布されたパンフレットに投票用紙があり、見に来たひとなら誰でも投票できるとのことで、あたりまえに素人の私も審査員になりきり、自分が見て優れていると思う牛さんの番号を記入。
1位はどの牛さんだろう・・?
みなさん予想屋のように真剣な眼差しに。はじめてのことで頭を悩ませて楽しむひとも。
受賞した牛さんは評価され、種付けや繁殖に有利とされたり、受賞した飼養者の牧場のネームバリューにもなるということでした。
士気が高まる気持ちが分かる気がして、ショーの意義が腹落ちしました。
🐄ニセコ町の牛さん
こちらの雪のような白がほとんどを占める牛さんは、ニセコ町の高橋牧場さんから出品されていたうちの1頭でした
🐄🐄🐄あとがき🐄🐄🐄
B&Wショーは本当にすばらしいですね。
真剣な顔をして牛さんの毛をセットする白のシャツとズボンを着用したリード・パーソン。
リード・パーソンの指示で歩き・静止する、調教され毛を刈られた美しい牛さん。
初めてB&Wショーを見るまでは、牛さんがあれほど見た目にきれいで、かつ犬のように調教できるとは思ってもみませんでした。
飼養者さんと牛さんの信頼関係があるから、指示通りにランウォークできるんですよね。
知る前と後では、乳用牛(ホルスタイン)に対する見方が180度変わりました。
次は、秋開催の全国大会予選の後志乳用牛共進会ですね。勝手ながら飼養者のみなさん応援しています!
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