ニセコ町/補助を活用し高効率空調機器・太陽光パネル・蓄電池などの再エネ設備を導入しCO2削減に取り組みませんか?
こんにちは!ニセコ町note担当伊藤です。
連日ニュースで「猛暑」「酷暑」といったワードが頻発していた今年の夏。
個人的には昨年に比べ控えめだったかな?と思いましたが、そんなニセコ町でもしっかり30℃を超える暑い日が続きました。
みなさんが涼めるよう、町内の公共施設では誰でも自由に過ごすことができるフリースペースで、クーリングシェルターとしての機能を持つ場所に「冷エテコ(ヒエテコ)」シールが掲示され、広報ニセコ8月号で紹介されました。8_表1 (niseko.lg.jp)
以前よりも暑い日が多くなり、温暖化を身近に実感することが増えてきた今、どう行動していったらよいのでしょうか?
今回はその対策の一つとなるニセコ町脱炭素・再エネ推進事業補助金についてご紹介します。
なぜいまニセコ町で再エネ設備が話題なの?
ニセコ町脱炭素 再エネ補助金家庭向け活用セミナーが、2024年8月21日(水)ニセコ町町民センターで行われました。
セミナーの冒頭、ニセコ町企画環境課の環境モデル都市推進係より、「ニセコ町は環境省よりR6年6月に「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(重点対策加速化事業)」の採択を受け、6ヵ年でトータル8.8億円程度の交付金を受けられることになりましたので、これを町内住民や町内事業者にむけ、再エネ省エネを推進する補助金をつくり動き始めているところです」とお話がありました。
続いて、ニセコ町と連携して交付金申請を行ってきた株式会社ニセコまちより、世界の環境変動・国の施策・再エネ設備・補助金について詳しく説明がありました。
株式会社ニセコまちの担当者によると、「いま国が大きく舵を切り、これまでの環境対策とは比べ物にならない大きなお金を使って、脱炭素を進めていく状況にある」といいます。
これまでの環境対策に対するイメージは「余計にお金がかかるもの」でしたが、日本の国の方向性が変わり、再エネ推進をGX(グリーントランスフォーメーション=成長戦略)として、これまでとは違った大きな予算を組み、環境対策と同時に経済を活性化しようという取り組みが行われています。
その中で、かなり限定された狭き門において、ニセコ町のめざす脱炭素の方向性が「豪雪寒冷地域での脱炭素モデル普及促進事業」として国にみとめられ、R6年6月に「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(重点対策加速化事業)」の採択を受けました。
この重点対策加速化事業の背景や状況は、具体的にどのようなものなのか?、どういった条件で、補助率や補助額はいくらか?、どのような申請手続きが必要かなどについてお話がありました。
ー背景には見逃せない深刻な環境変動
再エネ推進の背景として、「いまは温暖化というより、”地球沸騰”という言い方をされている通り、人類社会において危機的な状況が迫っていると国連総長も言っている。地球はいま”待ったなしの状況”に置かれている」という気候変動についてのお話があり、背筋が伸びます。。(T.T;)
世の中では化石燃料が発電やプラスチック製品の原料として多く使われていますが、その依存度について、日本はかなり高いといわれています。
国内で生産してる化石燃料量はほとんどなく、輸入に頼っているため円安や紛争による世界情勢不安によって価格上昇などの影響を受けるそうです。
この化石燃料を燃やすことで排出されるCO2が温暖化に影響しており、この100年間で世界の海水温は年に0.6℃上昇しており、寒冷地と言われる日本近海でも1.24℃上昇しています。
2100年シュミレーションによると、世界の平均気温はワーストケースで5.7℃上昇、改善の努力をして1.5℃~2℃上昇すると予想されています。
つまり何が起こるか?
温暖化が深刻になると以下のことが起こるとされています。(IPCCの2022年報告書)
・世界中で高温による居住不能エリアが拡大し2050年までに2億人を超える気候難民が発生する
・環境難民、主に水を求めて移住しなければならない人口が数億人単位で発生し、大切な土地が競争にさらされて紛争が起こる
・被害規模数十億円の大雨が3倍発生する
・大干ばつが起こり農作物への影響が発生する
・動植物の半分以上が絶滅の危機になる
※IPCC 2022年報告書
https://www.env.go.jp/earth/ipcc/6th/index.html
怖いことですが、世界を見渡すと影響が現実に起き始めていて他人ごとではありません。
日本では、気温上昇を1.5℃~2℃以内に抑えるためのCO2削減目標として2030年までに46%ないし50%削減、2050年には脱炭素することを宣言し、政策体系を大きく変化させてきています。
このような動きは全世界に広がっており、中国、EU諸国、インドなども含め各国が2030年までに削減するべく、足並みをそろえて枠組みを変えてきています。
日本では様々な取り組みや支援があります。その中の一つとして経済産業省のGX実現に向けた取り組みがあります。
主に、住宅に対する断熱窓および高効率給湯器の導入支援や、建築物に対する「外皮の高断熱化(断熱窓・断熱材)」や「エコキュートなどの高効率機器導入の支援」が設定されています。
また、CO2排出量取引が、2026年から本格的に稼働することになっていて、化石燃料をつかうと排出量に応じて税金を付加されるようになり、新築の建物ではエネルギー性能の確認が必要になります。
はじまる!ニセコ町の脱炭素・再エネ推進事業補助金について
ニセコ町では2030年度において50%削減(2015年度比)、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにして脱炭素社会を実現する(森林吸収分14%は可能性を探っている段階)ことを掲げています。
この目標実現に向け、脱炭素を推進するため、環境省の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(重点対策加速化事業)」に応募し、狭き門を通り抜け6年間で8.8億円の交付金を受けることとなりました。
補助額や補助率が高い内容となっていますので、ぜひ活用していただきたいとのことです。
ニセコ町脱炭素・再エネ推進事業の対象設備と補助要件
問合せやご相談は株式会社ニセコまちまで
ニセコ町にお住まいの方で導入を検討されるということであれば、建築基準や申請、事業者メーカーについて相談が可能です。
Q&A ー再エネ活用セミナーでの質疑応答
Q. 太陽光パネルを平置きすると、冬は雪が積もったら結局発電しないのですか?
A. 平置きの場合、12月から3月の4か月はそもそも4か月は発電しない想定です。
12月から3月はくもりの日が多いため、日照時間が短く日射量が少なくなります。
そのため、積雪がなくても発電量は15~18%下がります。
傾斜が30度ほどの切妻屋根の場合は、光が雪を通り溶けてパネルが温まるため、雪は滑り落ちますが、落ちた雪の排雪を考える必要があります。
壁面に垂直に設置する場合、積雪や排雪の考慮が不要となります。
町内に設置事例があるため設置の様子を見ることができます。
※気象データについては「ニセコ町脱炭素アクションプラン」P.10を参照ください。
https://www.town.niseko.lg.jp/chosei/kankyo/model/ondanka/
Q. 自家消費率30%とするためには蓄電池を設置が必須でしょうか?
A. 蓄電池を設置しない場合、太陽光発電の自家消費率は20%程度となります。蓄電池を設置することで昼の発電した電気を夜間に使用できるため自家消費率を30%以上とすることができます。
Q. EMS(エネルギーマネジメントシステム)の導入は必須でしょうか?
A. 最近の太陽光発電設備では発電量と消費量の状況を見ることができるようになっているものが多くあるため、EMSを導入しないと電気利用の状況が分からないということはありません。
Q. パネルの廃棄はどうなっているの?
A. 現状では廃棄量は多くなく、大量に設置され始めた2011年から25年後となる2035年以降に大量に廃棄が出てくるといわれており、再生技術の開発が動き始めている状況です。
現状でも分別再資源化や再利用が行われています。
Q. パネルの寿命は?
A. メーカーによりますが、25年の出力保証を付けているメーカーが多くなっています。
容量や大きさも様々なタイプが販売されています。
Q. ニセコまちでの試験運用結果は?
A. ニセコミライでは現在8世帯が入る建物1棟で検証を進めていますが、自家消費率は4~8月で90%を超えています。冬期には電力会社から購入する脱炭素電力を夜間に蓄電池へ充電し、日中に使うことを計画しています。
Q. PCS(パワーコンディショナー)の容量構成を知りたい
A. 5kW刻みのものが使い勝手が良いです。
メーカーによっては8kWや12kWのものもあります。
Q. EV車1台所有しています。他設備との親和性について教えてください。
A. 充電のタイミングをプログラム出来るEVが多いため、利用状況に合わせて設定することが効果的となります。
EVの蓄電池が60kwhであれば非常時に3日間利用できる程度の量となります。
太陽光で発電した電力に余力がある場合、EVの充電をすることが出来れば自家消費率が高くなります。V2Hは直流と交流の返還が多くなるため電気利用として効率的ではありません。
Q.太陽光パネルはコンテナハウスでも設置可能ですか?
A.住宅として使用できるコンテナの場合は設置可能です。
あとがき
今回この記事の制作にあたり、いまのニセコ町の自然環境も未来永劫では無く、脅かされていることはよくわかりました。
海水温の上昇による影響を受け、身近なところでいくと郷土料理の石狩鍋に入れるメイン食材が、鮭ではなくブリに変わってきているとお話にありましたが、海水温上昇は気温上昇にも繋がり、ニセコのおいしい野菜の生育にも直結するため、見て見ぬふりはできません。
深刻な地球の環境変動を前に、政府のGX戦略に基づく取組みについて、本気度を感じましたし、ニセコ町も今からやらないと手遅れになってしまうのではと危機感を持ちました。
省エネ設備と自家発電の導入で年間家計費はスマート化でき、且つ「未来への投資」になると思いました。
これから新築を考える人や、リノベーションを検討している人には是非知っていただきたいです。
みなさんは、どう行動されますか?🌞🌥🌲🏠
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