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ニセコ町の協力隊とNPO法人と生産者が一体となり作りあげる「こども食堂」改め「おやこ食堂」による子育て支援

こんにちは!note担当をしております伊藤です。

このnoteでは、北海道ニセコ町で今話題の情報や、ここでしか話せないような裏話など…自由に発信しています。

ニセコ町では、” 子どもたちの笑顔が輝くまち ” を目指し、豊かな心と健やかな体の育成を行うため、放課後子ども教室、学童保育事業、子育ての相互援助活動を行うファミリーサポートセンター事業を実施するほか、NPO法人による預かり保育活動、子どもの遊び場などを拡充し、地域の力を活用しながら地域全体で子どもを育むまちづくりに取り組んでいます。

昨年度一人の地域おこし協力隊が行動をおこし、その想いに共感したNPO法人ニセコ未来サポート隊と、賛同してくれた町内農家さん、食に関して活動する有志のみなさんが力を合わせ、2024年8月23日に開催された ” こども食堂 ” 。

今年は " こども食堂 "から更に パワーアップした「ニセコ町おやこ食堂」の開催について取り上げてまいります!

2024.8.23 写真提供:ニセコ町地域おこし協力隊WEBチーム

皆でたのしい食事の時間「ニセコ町おやこ食堂」

2024年8月23日(金)に町民センターにて、昨年も大好評だった、『こども食堂』が今年度は『ニセコ町おやこ食堂』として開催されました!

当時町内で掲示されたチラシ

イベントの趣旨「みんなで美味しく食事をいただくこと」により、会場にはたくさんの笑顔が溢れました。
食事内容は、みんな大好きカレーライス💖
ニセコ町内で食の研究・活動をされている「じゅうごばぁ」の皆さんが腕をふるい、甘口、中辛、辛口の3種類のカレーライス(限定200食)、サラダなど調理提供してくれました!

協賛いただいたお野菜をメインにつくられたカレーライス
2024.8.23 町民センター大ホールにて撮影

2024年8月23日(金)開催当日の来場者数は、大人:75名、高校生以下:88名、幼児:10名となり、合計:173名でした。
広い会場とはいえど座席数は限りがあり、入場待ちができるほど大盛況となりました。
当日のボランティアサポートとして、17名のニセコ町地域おこし協力隊が、受付、お席案内、盛り付け、洗い場などを担当し、調理全般をしてくれた10名以上のじゅうごばぁの方々と合わせるとおよそ200名以上が食事したことになります。

洗い場の担当者からは、「残しているひとが全然いなくて、皿洗いがすごくしやすかった」とのこと。

野菜を提供してくれた町内の農家・企業

「ニセコ町おやこ食堂」開催前、このようなチラシが町中に掲示され、野菜や果物の寄付・協賛を募りました。

\\ニセコ町の農家の皆様!8月23日開催の親子食堂への野菜や果物などの協賛を募集しております。規格外のお野菜など形がバラバラな商品大歓迎です!
ご提供いただける方はご連絡をお待ちしております!//

これは「ニセコ町おやこ食堂」の運営メンバーから、町内生産農家さんへ宛てたメッセージです。

その声は広がりを見せ、多くの協賛を集めました。

協力いただいた農家様・企業様(一部)

協力隊と農家さんとの交流をきっかけに協賛してくださった農園や、そして新規就農をめざす協力隊員がつくる農場 niseko crystal farm も加わってくれました。

そして羊蹄山の麓で育った美味しいニセコのお野菜たちが、さまざまな顔ぶれで集まりました。

※今後も続けていきたいと思いますので、沢山の方のご協力お願いいたします

早朝から、農家さんのところへ提供いただくお野菜を受け取りにいき、9時から下ごしらえなどを開始。
予定より提供量が多くなったため、17時開場の1時間前まで準備に追われました。まさに、パワーアップした「ニセコ町おやこ食堂」となったのでした。

<協賛してくださった農家さんを一部ご紹介>
〇小泉農園 🌽 さん

もぎたてのスイートコーンを提供してくれた小泉農園

NISEKO CRYSTAL FARM 🍅さん

今年度新規就農する中村さんはミニトマトを提供 

〇高田農園 さん

収穫したブロッコリーを高田農園さんから受け取る吹越さん

昨年の初回開催「こども食堂」から協賛してくださっている農家・企業さん
●お米(猪狩農園さん)
●お野菜(松田農園さん)
●飲むヨーグルト(高橋牧場さん)


羊蹄山の麓で育った農産物を使い、カレーライスをつくって食べる。


「おいしぃ~よ~♪」と言いながら、小ぶりのじゃがいもを調理する松田裕子さん。
今回のおやこ食堂の調理場全般を指揮します。

【じゅうごばぁ】とは・・おばあちゃんの味を守り次の世代へ受け継ごうと15名のばぁさんが集い始まった、料理研究会。

今回「おやこ食堂」で集まった現役メンバーに聞くと、最近は15名から大幅に増えて、30名が活動しているそうで、世代交代が進んでいるとのこと。
もはや、” さんじゅうばぁ ” です。

じゅうごばぁについてご紹介された記事>>


初めて、じゅうごばぁのメンバーと一緒にカレーライスや、副菜の調理に参加したのは、” 料理好き " と自負するニセコ町地域おこし協力隊の髙木七海(たかぎ ななみ)さんです。

さあ、やるぞとやる気MAXな髙木さん 

髙木 七海(たかぎ ななみ)
北海道札幌市出身。
大学時代に中学社会、高校公民の教員免許を取得。
趣味は登山、ラジオ鑑賞、カフェ巡り、旅行、料理など。
2024年4月からニセコ町地域おこし協力隊に着任し、ニセコ高校のハウスマスターとして地域と生徒を結び、まちづくりに取り組むコーディネーター役を務める。

ー今回初めて「おやこ食堂」に参加されましたが、どうしてやってみようと思ったんですか?

動機としては、以前、大学時代のフィールドワークで、図書館や市役所など行き先いろいろある中で、農業実習を選択して農家さんに行ったとき、規格外の野菜を使ってクッキーにして学校祭で販売したことがあるんです。
売り上げは「何か還元できるところに寄付を」と考えて、札幌市内のこども食堂にしようと。そうなると、こども食堂を知ることから始めないといけないよねといった流れで、ボランティアとして参加した経験がありました。

そうした経験があり、「こども食堂」に取り組んでいる中心的存在の吹越さんから、一緒にやりましょうと声を掛けていただき参加しました。

ー参加してみての感想は?大変でしたか?
「おやこ食堂」にしてはすごく大規模で、集まった野菜の量が、カレーなのにこんなにたくさんあるの!?と驚くほどで、ニセコ産の野菜ばかりでした。
準備はとても大変でした。
3時間くらいじゃがいもの洗いと皮むきと切る作業をやっていたかもしれないなというくらい、本当に疲れましたね(笑)
開場までに間に合ってよかったと思います!
準備に力を使い果たしましたが、開場してからは子どもたちに癒されるばかりでパワーチャージできました。

ーこの取り組みについてご意見などお持ちでしたら教えてください
みんな美味しいと言ってくれましたし、品数の多さに驚いていました。
カレーは辛さに応じて3種ありましたし、グラタンや、煮びたし、マリネにフルーツなど全部で17種類ほどのメニューが並びました。
今回ご友人に誘われて来たというお客さんの中には、「次やるときは野菜を提供するね」と言ってくださった方もいました。

「次は、ニセコらしく野菜をBBQスタイルで出すのもいいよね」なんて会話も自然と生まれて、もう次のことを考えてしまっていたくらいで。
ぜひ引き継いでやっていきたいと思っていますし、聞くだけでなく、この取り組みを伝え、町内の人であれば、ニセコ高校の生徒にも参加してほしいですし、町外の人にも実際に見に来てほしいなと思います。
ニセコをフィールドにした食育をやるというのも面白そうだなと思います。

ーまだ課題もたくさんあるとは思いますが、すでに継続を見据えた髙木さんのお話を聞いていると、次が楽しみになりますね!ありがとうございました。


「こども食堂」をやりたい。を叶えた吹越広一さんにインタビュー!


インタビューに答える吹越さん 

吹越広一(ふきこし こういち)
プロフィール
北海道札幌市出身。1996年生まれ。
札幌市内の大学卒業後、京都へ移り大手インテリア雑貨関連企業に従事しながら3年間を過ごす。
2022年4月~ニセコ町地域おこし協力隊に着任。
着任後からは、総合体育館でスポーツ振興業務をこなす傍ら、ニセコ町CS(コミュニティースクール)委員に就くなど主に教育環境関連で活動中。
保持資格:キャリアコンサルタント

ニセコ町へ移住する前は、京都府に在住していた吹越さん。
テレビから流れてきた、地元北海道での子どものいじめなど、とても残念なニュースを見たとき、違和感を強烈に感じたという。
「こんなことがおきているのに、自分はどうしてここで仕事しているんだろう。これでいいのだろうか、、?」
このことをきっかけに、自分を見つめ直した吹越さん。

「コロナ禍だったということも背中を押したのだと思いますが、故郷の北海道で、子どもが生き生きと過ごせる地域コミュニティーづくりをやってみたい。そう思い始めたのが移住への一歩でした。」
そのころ勤めていた企業では、店舗店内でこども食堂をイベント開催していたため、どんなものかは見て知っていたそう。

その後地域おこし協力隊に着任してからは、1年目から隣町の倶知安町のポッケラボさんが主催の「しりべしファミリーフェスティバル」にボランティア参加したり、足を延ばして札幌市の「こども食堂」に参加するなどして、「「こども食堂」って実際どうやれば出来るのか?」についてノウハウを聞いてまわったという。

そして、吹越 広一(ふきこし こういち)さんの行動を知り「NPO法人ニセコ未来サポート隊」(※1)が支援者として名乗り出てくれたことで大きく動き出します。

※1「NPO法人ニセコ未来サポート隊」とは
地域の子育て支援や観光教育活動に寄与することを目標に、託児事業(音楽祭や登山イベント開催、ニセコの森を作る植樹祭、町民センターでのこども食堂、冬の屋内キッズパーク開催など)、地域のニーズに耳を傾け、多岐に渡る取り組みを実施している団体。

出展:NPO法人ニセコ未来サポート隊

NPO法人ニセコ未来サポート隊の代表を務める、高井裕子さんは、自身が子育てしていく中で関わるコミュニティーや、子育て世代の悩みを集約的に知る強みを活かし、「それならニセコで料理研究活動している ” じゅうごばぁ " を紹介しますので、ぜひこども食堂をやりましょう」と繋ぎ役をかって出てくれ、また場所の選定など相談に応じ主導してくれたとのこと。

ー昨年、初めての開催だった「こども食堂」では、わたくし伊藤はサポーターとして参加させていただきましたが、移住者である自分にとって、ニセコ町の子どもたちと直接交流できる貴重な機会でした。

吹越さん(以下省略)

そうですか、ありがとうございます。
子どもたちにとって、” サードプレイス ” と呼べるような、学校でもなく、家でもない、【じぶんの居場所】をつくりたい。というのが、僕のやりたいことの最終的なゴールなので、地域の大人にとっても貴重な機会を提供できて嬉しく思います。
「こども食堂」っていいなということでニセコ町民が参加できることとして始めましたが、本当は町全体ではなく、地区ごと、または町内会ごとに一つずつ創りたいんですよね。
でも現実的には、なかなか難しいことなので、まずはとにかく小さく始めてみようということで、当時50人限定の「こども食堂」をやることにしました。

ニセコ町のこどもにとって、地域の大人と触れ合う良い機会になったかなと思いましたし、「また開催してほしい」といったお声もいただけましたのでうれしく思います。

初回の「こども食堂」では、こどもたちに宿題を持参してもらって、大人に勉強を見てもらうということをやりました。
勉強しながら交流し、勉強以外の話もしたりして(笑)、最後にみんなで一緒にご飯を食べるといったプログラムでした。

ーこどもたち、元気いっぱいに勉強して、食べて、遊んで満喫していましたね(笑)
今回は二度目の開催となり、イベント名を変更して「ニセコ町おやこ食堂」にしたということですが、これまでと違い、どういったところがパワーアップしたんでしょうか?

じゅうごばぁのみなさんからひっぱりだこだった男手の吹越さん

そうですね、パワーアップした点は、まず、 ”こどもだけ” じゃなく、” 大人も” 一緒に参加できるようにしたという点ですね。
これには理由があって、前回参加者の親御さんからの声として「こどもと一緒に食べたい」というのがあったので対象を広げました。
ひっかかるひともいると思うんですが、「ニセコ町おやこ食堂」というフレーズを見て分かる通り、” おやこ ” なんですよね。
じゃあ親子で参加できない人は?とご意見が出ることも承知していまして、「安全面や借りている施設への配慮など、僕の手が行き届くようにしたい」という意味があり、こども全員に目配りできないところを考えて親子にしています。
そしてもちろん親子以外にも、地域の大人同士でも、農家さんでも来てほしいという形にしました。

メインとなるカレーライスですが、前回の限定50食から、4倍の200食に食事を増量しましたので、そこもパワーアップポイントになります!


ーいまは、年に一度の開催ですが、これからの展望がありましたら教えてください。

僕が掲げている「地域食堂にしたい。」というビジョンですが、地域のおじいちゃんおばあちゃん、お兄さんお姉さん、みんなとコミュニケーションが取れる場所にしたいんですよね。
でも、それにはニセコ町全体規模でやると規模が大きすぎるという矛盾があって、大きすぎるがゆえに難しいという葛藤があります。
だからこそ、地区ごと、町内会ごとの単位でやれたらいいなという展望はあります。

現段階では未定ですが、年一回以上やりたいねと運営メンバーではよく話していて、農家さんの収穫時期に合わせて10月ごろにできたらいいなと思います。

やる度に思うのは、ひとりでは絶対できないということ。
今回も大勢の方々に関わっていただくことができたからこその開催でした。
心から感謝します。
まずはしっかり反省点の洗い出しをして次につなげられるようにやっていこうと思います。

仕上げのカレールーを混ぜる吹越さん
会場内をレイアウトする吹越さん
テレビの取材を受ける吹越さん

ーお野菜を提供している農家さんも食堂に訪れている光景を目にしました。地域の子どもたちと大人が何気なくコミュニケーションをとることができる場所。続いていくといいですね!本日はすてきなお話をありがとうございました。


●あとがき

わたしは、大家族で育ちました。
いつも誰かいて、家族の誰かが友達を連れてきていることが多い環境で、逆にひとり時間を持つのが難しいくらいで、ひとり暮らしをはじめた時は、自由を手にした!と喜んでいました。

ですが、逆にそのことで人との関わりについて考えるきっかけになりましたし、家族以外のコミュニティーの面白さを知ることができたと同時に、家族の有り難さに気づくこともできました。

「ニセコ町おやこ食堂」のような場所はそんな気付きを与えてくれる場所になるかもしれません。
大家族のように世代を超えた人と人が、交流できる場所です。
地域の人と直接触れ合う中で、新しいコミュニティーが生まれていくと、人それぞれが持つ、感性や個性に合う仲間を見つけ出し、人生を豊かにできるかもしれませんね。

地域で採れたお野菜を、地域で還元することは、生産者さんと消費者の双方にとってよいことだと思うことからも、「こども食堂」改め「ニセコ町おやこ食堂」の意味は大いにあると思います。
今後さらに新しい面白いアイデアが加わっていくなど、「おやこ食堂」の存在が大きくなると面白いなと思いました。


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●昨年の【第1回ニセコ町こども食堂】開催時の広告はこちら>>

第1回ニセコ町こども食堂のお知らせ🍛🥗 コロナ渦は黙食で、食事と会話を楽しむことができませんでしたが、今回の子ども食堂は食を通じて、コミュニティを育む、食を皆で楽しむことを目的とし開催いたします ぜひ皆で楽しみながら、一緒に食べましょう!

Posted by Npo法人 ニセコ未来サポート隊 on Monday, May 29, 2023

●NPO法人ニセコ未来サポート隊公式Facebook>>

https://www.facebook.com/nisekomiraisupport

●ニセコ町公式HP>>

(8月23日開催)ニセコ町おやこ食堂のご案内 | インフォメーション | 北海道ニセコ町 (niseko.lg.jp)

HBCによる放送>>
北海道ニセコ町の食材を使った“こども食堂”ならぬ「おやこ食堂」 地域の大人を巻き込んだ子どもたちの“第3の居場所”作りを目指す取り組み|HBC NEWS|HBC北海道放送

2024年9月11日HBC放送

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