北海道ニセコ町が官民連携でプログラミング合宿を企画した話
いつもニセコ町公式noteを読んでいただき有難うございます。
ニセコ町公式noteでは、昨年移住したばかりのニセコ町役場職員がヨソモノ目線でニセコのリアルを(忖度なく)紹介しています。
さて今回は、今年4月にニセコ町で発足した「ニセコ町ワーケーション推進協議会」のご紹介と、協議会が企画・主催するニセコ町合宿付きハイブリッド型プログラミング講座「ピリカスクプ」のご紹介です。
なぜニセコでプログラミング?
ワーケーションとプログラミングがどう関係するの?
などリアルな内容を紹介したいと思います⛄
※なお、こちらのnote内で「ニセコ」と記載する場合は、ニセコ町・倶知安町・蘭越町のニセコ観光圏を指します。
■まずはここから、ニセコで今「ワーケーション」が盛り上がっている件
以前noteで紹介した「ニセコでワーケーションが盛り上がっている話」は、note注目記事でも取り上げていただき、多くの方から反響をいただきました(ちなみにnote注目記事で取り上げられたおかげでPV数が通常の10倍近くなりました…すごいですね。noteさん有難うございます🙇)
ニセコでワーケーションしよう!
コロナ禍でリモートワークが普及し、パソコン1台あればどこでも仕事が出来る時代になりました。週休3日制導入や副業解禁の流れもあり、普段働いている場所とは違う場所で、旅行を兼ねて働くワーケーションに注目が集まっています。
ふだんと違う環境で心身をリフレッシュさせるだけでなく、新しい人との出会いや、刺激を得ることで、仕事に対するモチベーションアップや新しいアイデアなどイノベーションにも期待ができます。
特にワーケーション先では、行きたい場所として北海道が堂々1位(オヤジギャグみたいになりました…笑)となり、なかでも日本屈指のリゾート地であるニセコは国内外から注目を集めています。
※ワーケーションで注目を集めているニセコについては、以前紹介したコチラのnote記事も併せて読んでいただけたらと思います。
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■ニセコ町でワーケーション推進協議会を立ち上げてみた
前置きが長くなりましたが、こうしたニセコ町でのワーケーション需要の高まりを受けて、「ニセコ町でのワーケーションを盛り上げていこう!」というメンバーが集まり、今年4月1日、ニセコ町ワーケーション推進協議会を発足しました。
協議会メンバーにはテレワーク施設として旅行者からも人気のニセコ中央倉庫の近藤信勝さんと館長・松田啓志さん、ニセコリゾート観光協会から地域おこし協力隊でもある松本竜太さん、ニセコ町移住定住支援員として活躍する奥田圭太さん、最後にニセコ町役場から総務課長の福村一広さん、商工観光係長の川埜満寿夫さん、自治創生係長の島﨑貴義さんとシティプロモーション企画を担当する私(赤星)も加わり、官民連携の団体で運営しています。
ワーケーション推進協議会が目指すこととは?
ニセコ町ワーケーション推進協議会(以下:協議会)の目的は以下としています。
簡単に言うと、ワーケーションを通して、ニセコを知ってもらう・ニセコに来てもらうキッカケを作り(交流・関係人口創出)、ゆくゆくは人や企業の誘致につながればという目的です。
移住の第一歩を試せる「プレ移住ワーケーション」という考え方
個人移住では、ワーケーションをプレ移住として移住先の検討をする人も多いのではないでしょうか?移住に興味はあるけど、今すぐ部屋を解約して見ず知らずの新しい環境に飛び込むのは不安…という方も多いですよね。
移住にあたっては、単なる転居だけの話ではなく、移住後の仕事環境や収入面、人間関係の変化など必然的にたくさんの変化が発生します。
事前にそうした調査や準備を兼ねて、現地に短期間滞在してみることで、移住のミスマッチや失敗を回避することにも繋がります。
協議会ではワーケーションを通して最終的には「移住」や「二拠点」に繋がる人を増やしたいと考えていますが、初期フェーズとしては、まだニセコという名前すら聞いたことのない人へ知ってもらうこと、そして、ただ名前を知ってもらうだけではなくイメージを作り興味関心を持ってもらえるところまでが注力課題と捉えています。
たった5,000人の町、ニセコを7割が知っているという事実
アンケートの結果、およそ7割の人がニセコを知っているという結果になりました。ですが一方で、知っていると回答した人でも「名前は知っているが、具体的なイメージはない」と回答した人が半数という結果になりました。
ニセコと言えば「スノーリゾート」として有名ですが、国内でのウィンタースポーツ人口は減少をしている等を背景に“知るきっかけがない”のではないかと仮説を立てています。
そうした“ニセコ非認知人口”にも、ニセコを知ってもらうだけでなく興味をもってもらえるキッカケとして何が有効なのかを考えていた際に、「リカレント教育」や「副業スキル習得」熱が高まっていることに着目しました。
コロナ禍で高まりを見せるリカレント教育需要とIT人材不足
実際、私のまわりの知人でも、
・コロナ禍で旅行に行けないことで、旅行予算が浮いている
・在宅勤務の長期化による所属企業への帰属意識低下、VUCA時代の不安定さも相まって転職や副業需要の高まり
・アフターコロナ以降も継続して在宅勤務を希望する人は、フリーランスへの転身なども検討
などの背景から、自己投資として教育サービスを利用する人が明らかに増えた印象です。
IT関連、エンジニアやプログラマーの需要が高い
経済産業省の調査でも、2030年にはおよそ80万人のエンジニアが不足するという推計や、高校生のなりたい職業ランキングでも2年連続、システムエンジニア・プログラマーが上位ランクインするなど、学習内容としてエンジニア・プログラマー需要が高いことを受けて、ニセコでプログラミング合宿を開催することで、これまでとは違う客層にニセコを認知してもらうキッカケに繋がるのではと考えました。
また、エンジニアスキルを身に付けた人が移住して来てくれることで町内事業者のDX推進に繋がることへの期待もあります。
■ニセコ町でプログラミング講座「ピリカスクプ」を開催します
こうした背景から、ニセコ町ワーケーション推進協議会はニセコ町役場共催のもと、プログラミング講座「ピリカスクプ」を開催することになりました!
コロナ禍で出来なかった“旅行”という楽しさもありつつ、今後の働き方をアップデートさせるという魅力を用意した企画です。
ピリカスクプの名前はどんな意味?
名前は50案以上のなかから内部投票の結果、ピリカスクプに決定しました。
ピリカスクプとはアイヌ語で「素晴らしい成長・生活」という意味で、講座受講の時間で、成長はもちろん、自分にとって価値のある生活とはどういうものかを考えるキッカケにもなればという想いを込めています。
ちなみに協議会メンバーでは通称「ピリスク」と呼んでいます。
たまに変換ミスでピリカスになっていたりもしますが…(すみません、気を付けます。)
開催概要について
プログラミング講座「ピリカスクプ」は、約2ヶ月間のオンライン講座と、5泊6日の北海道ニセコ町でのオフライン合宿とを組み合わせたハイブリッド型講座で、国内各地から誰でも気軽に参加しやすいスタイルとなっています。オンライン講座(平日夜開催)がメインになっているので、社会人の方でも仕事終わりに受講しやすい講座となっています。
性別・年齢・経験や職歴等は一切不問で、誰でも参加できる講座にしています。プログラミング学習では、独学で始めて環境構築等で挫折する人が多いともよく聞きますが、環境構築はもちろん実務作業に即した学習カリキュラムになっているので実践力が身に付く点もポイントです。
また一緒に学ぶ仲間が多いというのも重要なポイント。講座終了後もSlackで卒業生用にチャンネルを残す予定なので、プログラマー仲間作りにも繋がります。
他のプログラミングスクールと比較してピリカスクプの魅力は次の通りです
①働きながら参加できる 平日20時~22時のオンライン講座がメイン
②誰も置いていかない 講師が毎日質問に回答。分からないまま進まない
③仲間との出会い 定員20名の参加者と一緒に学べる
④旅行も楽しめる ニセコ合宿ではオプショナルツアーも用意
ニセコ滞在期間は5泊6日で「正直短いのではないか」「1ヶ月ぐらいの期間にしよう」という意見もあったのですが、実際コロナ禍での開催ということや、参加者目線で考えた際に全員がフルテレワークではなく出社しなければならない方もいらっしゃるだろうという考えからニセコ合宿は5泊6日で誰でも参加できるスタイルにしました。
学ぶ言語も豊富にラインアップ
講座ではコーポレートサイト作成からブログアプリ、ECサイト構築、WEBアプリケーションの仕組みを理解しながらセキュリティ対策についても学びます。3ヶ月でPHP、HTML、CSS、Linux、MySQL、Gitを網羅的に学びながら実践力も身につけていきます。
岩手県八幡平市・スパルタキャンプとコラボ
今回、講座を企画するうえで参加者にスキル取得として満足してもらえる内容で、且つ、パソコンに触ったことがないような初心者の方でも安心して参加してもらえる講座にしたいと考えていました。国内でプログラミングスクールを運営する企業へ相談を進めるなかで、岩手県八幡平市を中心に運営されているプログラミング講座スパルタキャンプさんと出会うことができました。
既にプログラミング合宿200回以上開催、延べ2,000人以上の卒業生輩出の実績をもち、卒業後の起業者数も多いのだそう。講師の高橋一真さんは現役エンジニアとして活躍しつつ、「誰一人取り残さない」をモットーに講座運営されているというお話しを伺い、両者の想いが同じであったことからコラボさせていただくことになりました。
相場より安価に設定できた理由
プログラミングスクールの費用は数万円から100万円以上とスクールによって金額もまちまちですが、ピリカスクプ講座の内容を考えると30~50万円程が相場だと思います。
今回、受講料179,500円(税込)※ を実現できたのはニセコ町役場の補助金が理由としてあります。ニセコ町としても関係人口創出を目的に、これまでニセコを知るきっかけのなかった方々へニセコを知っていただき、今後の関係人口創出を目的に支援をしています。
※受講料には交通費、宿泊費は含まれていません。
そのほか、講座の詳細は以下の通りです。
無料説明会の動画もコチラから視聴できますので、興味のある方はぜひ視聴いただけたらと思います。
他にもワーケーション推進協議会の奥田さんと松本さんがピリカスクプの紹介をするYouTube動画も公開しています。コミカルな二人の動画もぜひチェックしていただけたら嬉しいです。
参加募集締切は6月30日迄なので、気になる方は是非エントリーいただけたらと思います。
■参加申込はコチラから
FMノースウェーブNoMapsラジオへも出演
ニセコ町でも連携させていただいている北海道情報メディア「Domingo(ドミンゴ)」を担当されている服部亮太さんは、北海道でクリエイティブな発想や技術によって次の社会・未来を創る人のためのプロジェクト「NoMaps」の実行委員も担当されており、服部さんからのご紹介でFMノースウェーブ・NoMapsラジオに出演させていただくことになりました。(服部さん、いつも本当に有難うございます…!)
収録では協議会メンバーで出演し、ピリカスクプの企画に至るまでのエピソードや開催への想い等を語っております。後半はエイブルの赤星(私)がなぜニセコ町で地方公務員として働くことになったのか、総務省の地域活性化起業人制度についても詳しく語っております。
アーカイブはSpotify等でも配信されているので、もし宜しければ聞いていたただけたらと思います📻
そのほか北海道庁主催の「ほっかいどう応援団会議」でも紹介していただき、服部さんからは北海道新聞のコラムでも紹介していただきました🙇
【Special Thanks】
今回のプログラミング講座開催にあたり、早い段階から町内の宿泊施設や飲食店、また町外企業など多くの皆さまから支援をいただき、おかげさまで無事リリースすることができたと感謝をしております。
ニセコ町での新たなチャレンジとなりますので、ぜひ温かく見守っていただけたら幸いです。
興味がある方がいらっしゃいましたら、どんなことでもお気軽にご連絡いただけたらと思います。プログラミング以外にも、ワーケーション関連も企画していきたいと考えております。(コラボなども絶賛募集中です!)
■ニセコ町ワーケーション推進協議会(ピリカスクプ運営事務局)
担当:赤星
niseko.worcation.pc@gmail.com
想像以上に長い記事になってしまい反省しておりますが…最後まで読んでいただき有難うございます🙇
開催後のレポートもこちらのnoteでご紹介したいと思います。
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