【ニセコ町地域おこし協力隊】協力隊の制度・活動についてインタビューVol.1(福田隊長・平山副隊長)
ニセコ町は地域おこし協力隊が現役26名(2022年10月現在)、OB・OGも含めると総勢63名と多くの地域おこし協力隊が活躍しており、これは国内の地域おこし協力隊のなかでも多い人数となっています。
【参考】地域おこし協力隊導入状況はコチラから
また、ニセコ町の地域おこし協力隊は、卒隊後の定住率(※1)が73.7%と国内平均65%よりも高い割合となっていることも特徴です。卒隊後の活躍の場としては新規の農家や林業、アーティストやデジタル領域で活躍するフリーランスなど幅広い分野で起業し、活躍をされています。
さらに今月、ニセコ町地域おこし協力隊で初となる女性隊長が誕生。年齢や性別を問わず意欲的な人がチャレンジできるニセコ町地域おこし協力隊の活動について、隊長の福田ありささん(27歳)と、副隊長の平山賢志さん(28歳)に詳しくお話しを伺ってきました!
※1 地域おこし協力隊卒隊時にニセコ町に住民票を置いている割合
ニセコ町内の移住・起業熱とその背景については、初回記事でも紹介しているので、読んでみてくださいね。
【インタビューに答えてくれた人】
■ニセコ町地域おこし協力隊隊長 福田ありささん
北海道岩見沢市出身。岩見沢農業高校を卒業後、フラワーショップ、アパレル、飲食店等で勤務したのち、2020年5月にニセコ町へ移住。ニセコこども館で学童保育スタッフとして勤務する傍ら、2022年2月に元地域おこし協力隊でパートナーでもある松田啓志さんと古着屋「Comfy(コンフィー)」をオープン。2022年5月からはニセコ中央倉庫群で毎週土曜日9:00~13:00で営業を開始。※イベント出店等でお休みもあるため、営業時間はコンフィー公式インスタグラムで最新情報をご確認ください。
@comfyniseko https://www.instagram.com/comfyniseko/
■ニセコ町地域おこし協力隊副隊長 平山賢志さん
北海道江別市出身。北海道大麻高校卒業後、大学進学で東京に上京。就職で北海道へ戻り、札幌の機械メーカーに就職。2022年4月にニセコ町へ移住し、地域おこし協力隊ではニセコ中央倉庫群に配属され勤務する傍ら、ニセコ町内で開催されているプログラミング講座「ピリカスクプ」でプログラミングを学習しながら自立に向けた準備を進めている。
1.ニセコ町地域おこし協力隊について
■そもそも地域おこし協力隊とはどういう制度なんですか?
(福田隊長)
都市地域から過疎地域等の条件不利地域に移住して、地域ブランドや地盤産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を多岐に行いながら、その地域への定住・定着を図る取組です。隊員は各自治体の委嘱を受け、任期は概ね1年以上から3年未満です。
■ニセコ町地域おこし協力隊の活動は具体的にどのような内容ですか?
(平山副隊長)
町の活性化に繋がるようなイベント行事(※2)のサポートを中心に、SNSやブログでの活動発信や、広報ニセコでの執筆活動など多岐に及びます。また、地域おこし協力隊としての活動とは別に、それぞれ役場や町内事業所へ配属をされ配属先の仕事も担っています。
【直近で地域おこし協力隊がサポートしたイベント内容】
・2022年6月 ニセコクラシック・ニセコファンライド
・2022年8月 七夕の夕べ
・2022年9月 ハロウィンカボチャの収穫作業
・2022年9月 ツールド北海道
・2022年9月 クラシックコンサート
・2022年11月 ハロウィンカボチャ撤収作業 など
※2 ニセコの観光・イベント詳細はコチラを参照ください
■特に思い出に残っているイベントはありますか?
(福田隊長)
特に印象に残っているイベントは、昨年12月に開催した「みんなで作ろうニセコのクリスマスツリーイベント」ですね。私は去年5月から地域おこし協力隊に入隊したのですが、コロナ禍で全くイベントが開催できない状況が続いていました。そんななか、協力隊3年目の先輩が1~2年目の協力隊が活動できていないことを気にしてくれて、ニセコ町内の子ども達にクリスマスイベントを開催することになりました。企画の立案から、参加案内、イベント当日の運営まで、すべて協力隊メンバーで自主的に開催をしました。子ども達にも喜んでもらえて、協力隊として地域のために貢献できたことがとても嬉しかったです。ニセコ町地域おこし協力隊の仕事の真髄は「ニセコ町を盛り上げること」。そのために自分たちが出来ることを自発的に考えて行動していかなければいけないと実感したイベントになりました。
■協力隊同士での情報共有や連携はどのようにされているのですか?
(平山副隊長)
ニセコ町地域おこし協力隊は毎週水曜日の午後に定例会議を開催しています。他自治体の地域おこし協力隊では協力隊同士での会議等は実施しないところも多いようですが、ニセコ町の地域おこし協力隊は人数が多いという特徴もあり、協力隊同士で密に連携をしながら活動を進めています。配属先の仕事で忙しい場合は参加が難しいですが、基本的には現役の協力隊全員が参加をして、イベントやプロジェクトの進捗状況の共有や相談など、密に連携をしています。その他にも「地域おこし協力隊としての在り方」や「隊長・副隊長の任命」など協力隊に関わることは自治体任せではなく協力隊同士で自ら議論をしながら決めています。
2.ニセコ町地域おこし協力隊に入隊してみて感じたこと
■ニセコ町地域おこし協力隊へ応募したきっかけは何だったんですか?
(平山副隊長)
私の場合は独特です(笑)お付き合いをしている方が後志管内(小樽から積丹、島牧村から喜茂別までを含む1市13町6村のこと)で異動のあるお仕事に就いていて、彼女がどこに異動をしてもアクセスしやすく、ゆくゆくは二人での生活を考えられる場所として、後志管内でも中心であるニセコ町は理想的でした。また、ニセコ町は外国人や国内移住者も多い地域柄、ヨソモノに対しても寛容なイメージもあり、実際、移住前にニセコ中央倉庫を訪問した際に同年代の移住者が地域おこし協力隊として活躍している様子を見て、ニセコ町の地域おこし協力隊にエントリーすることにしました。
(福田隊長)
私の場合は、パートナーがワーホリから帰国後、英語を活かせる仕事で、田舎で二人で暮らしたいねと話していて、パートナーがニセコ町地域おこし協力隊の制度を見つけてきてくれて、二人で地域おこし協力隊へ応募したのがきっかけですね。他の協力隊では、やはりニセコという場所柄もあり「スキーやスノボ等ウィンタースポーツを楽しみたい」や「英語を活かした仕事がしたい」等の理由でエントリーされる方が多いですね。
■普通に移住するのではなく、地域おこし協力隊の制度を活用された理由は何ですか?
(平山副隊長)
私は地域おこし協力隊の制度について「チャレンジを応援してくれる制度」だと感じています。例えば、地域おこし協力隊になるとスキルアップに使用できる自己研鑽費が最大年間30万円、その他にも卒隊時に町内で起業または事業継承を行う場合には、関連して発生する費用のうち最大100万円の補助が受けられる等、経済的な支援はもちろんのこと、地域おこし協力隊の活動を通して町の方々と触れ合う時間がもてたり、協力隊のOB・OGからサポートしてもらえたりなど、人との繋がりがもてるというメリットも大きいですね。
(福田隊長)
実際、住んだことのない土地に裸一貫でいきなり移住をすることってすごくリスク(例えば住んでみてイメージが違ったや、収入の目途もないまま移住して経済的に生活維持できなくなる等)があると思うんです。それが地域おこし協力隊だと、最大3年間をトライアル期間として経済的な支援もありながら自分の将来を模索したり、町と馴染む期間にもなるのでオススメですね。
■配属先での仕事に、協力隊での活動業務など、忙しい日々かと思いますが大変ではないですか?
(平山副隊長)
大変ではないと言ったら嘘になるかもしれませんが(笑)移住前と比べると忙しさのなかにも心の豊かさを感じますね。そもそも自分で選んで地域おこし協力隊に入った訳ですし、自立に向けた勉強や活動も、自分が好きで選んで始めたことなので嫌だと感じることはないですね。
(福田隊長)
そうですね。私も平山さんと同じく毎週土曜日は古着屋コンフィーの営業があるので配属先の仕事はお休みをいただけていますし、週休や有給を活用して札幌まで古着の買付に行けたりと、忙しさのなかにも時間の融通が利くので充実しています。
3.進化を続ける、ニセコ町地域おこし協力隊
■福田さんはニセコ町地域おこし協力隊初の女性隊長とのことですが、どのようにして選ばれたのですか?
(福田隊長)
協力隊メンバー2年目のなかから推薦で決まりました。正直、自分が選ばれるなんて全く想像していなかったので最初は本当に驚きました。
(平山副隊長)
福田さんは協力隊活動のなかでも責任感のある仕事ぶりや、人柄もあり協力隊メンバーからも支持されていましたから、なるべくして隊長になったという印象です。イベントでの力仕事なども男性隊員と同じように動いてくれます(笑)
(福田隊長)
そうですね、力仕事も男性隊員達に交じって対応しています(笑)
今回せっかく女性隊長として選んでもらえたので、女性ならではの視点から地域おこし協力隊で新しい動きを取り入れていきたいとも考えています。そのためにもまずは、年齢や性別に限らず、協力隊の全員が平等に活動できることを意識したいと考えています。
(平山副隊長)
福田さんが隊長になってから、協力隊会議も以前に比べて柔らかくなった印象です。相手への伝え方や日頃からのコミュニケーションなど上手いなぁと思いますし、頼れる隊長です!
■今後、ニセコ町地域おこし協力隊をどうしていきたい等の考えや計画はありますか?
(平山副隊長)
コロナ禍でイベントがなかった時期から一変して、現在はイベントも活発になり地域おこし協力隊の活動も以前より忙しくなってきました。協力隊メンバーにやる気を持ってもらいながら、町の方々に貢献できるように副隊長として率先して動いていきたいと考えています。
(福田隊長)
そうですね。これまでイベント開催がほとんどなかったので、町の方々に協力隊の活動を知ってもらえていないという課題があります。今後は積極的に町のイベントをサポートしながら、地域おこし協力隊のメンバー全員が町の方々にまずは認知してもらえるようにしたいと考えています。それは、町の方々のためだけでなく、地域おこし協力隊メンバーの自立のためにも大切なことです。
あなたもニセコ町地域おこし協力隊に入隊してみませんか?
ニセコ町地域おこし協力隊は、ニセコ町役場企画環境課自治創生係が募集を行っています。募集もホームページから案内していますのでご確認ください。
※次回募集:2022年12月頃(入隊時期:2023年5月頃)を予定しています。
【CHECK】ニセコ町役場/地域おこし協力隊の募集と活動
【CHECK】ニセコ町地域おこし協力隊公式ホームページ
■最後に、これから地域おこし協力隊へエントリーする方へメッセージをお願いします
(福田隊長・平山副隊長)
ニセコ町地域おこし協力隊は他の地域と比較しても隊員数も多く、ユニークな人がたくさんいて横のつながりも強いのが魅力です。何かにチャレンジしたい方、一緒にニセコで活動しましょう!
福田隊長・平山副隊長、取材へのご協力ありがとうございました!🙇
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