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ニセコ町の「移住」と「起業」の話 /Vol.1 飯田絢香さんインタビュー

ニセコ町で最近ホットな話題といえば、「移住」と「起業」のはなし。
ニセコ町は人口5,000人程の町ですが、過去20年間に渡って人口が増え続けているという珍しい町です。特に最近は、移住だけではなく起業する人も増えていて、2021年4月~9月期では昨年同期比で法人設立数の増加率が全国町村で6位と、国内でも高い起業率になっています。

ニセコ町内の移住・起業熱とその背景については、初回記事でも紹介しているので、読んでみてくださいね。


さて、今回はそうした移住、起業者の方へ「ニセコ町で移住、起業って実際のところどうなのよ?」というリアルな話を聞いちゃおう!という企画です。(忖度なし!炎上上等!徹底してリアルを紹介!というポリシーです)


記念すべき1人目に紹介するニセコ町移住者さんは、ニセコ町の現役地域おこし協力隊員でもある飯田絢香(いいだあやか)さん⛄
今年3月、協力隊任期3年を終えて、ニセコ町で起業される予定です。

「なぜ移住したのか?」
「移住先はなぜニセコ町だったのか?」
「ニセコ町に移住した3年間はどうだったのか?」
「どんなお仕事で起業されるのか?」
などなど、根掘り葉掘り聞いてきました!!!!!

注)なお、こちらのnote内で「ニセコ」と記載する場合は、ニセコ町・倶知安町・蘭越町のニセコ観光圏を指します。


飯田絢香さん
ニセコ町地域おこし協力隊(ニセコバス配属)。新潟県出身、神奈川県藤沢市育ち。2019年からニセコ町に移住。大学卒業後、ITベンチャー企業での営業職やオーストラリアでのワーキングホリデー、大手広告代理店での営業アシスタント、世界一周の旅、旅行会社での旅行アレンジの仕事など、多様な経験を経てニセコ町に移住。ニセコ町では「にこっとBUS」の予約オペレーターとして地域交通のサポートを行いながら、出張ネイリストとしてニセコ町に定住することを目指し、精力的に活動を行っている。



■ニセコに移住したのはいつですか?

📌飯田さんのニセコ町移住ヒストリー
2014年11月~2015年5月/最初のニセコ移住
当時は協力隊としてではなく、ホテルで働きながらスノボを楽しむ生活をしていました。

 2019年7月~現在/ニセコ町地域おこし協力隊として本格的に移住
2019年6月20日にニセコ町へ移住をして、7月1日からニセコ町地域おこし協力隊として活動をしています。

地域おこし協力隊の同期入隊メンバーと。

■なぜ移住されたのですか?それはどうして「ニセコ町」だったのですか?

もともと新潟県出身ということもあり、小さな頃から雪は身近な存在でした。ニセコは雪だけではなく、国際色豊かなところにとても魅力を感じましたね。
そもそもの始まりは2009年、私がワーホリに行くところから始まります。当時、私は24歳。大学を卒業して、東京のOA機器を取り扱うベンチャー企業に就職をして2年が経っていました。仕事は充実している一方で、大学時代に1ヶ月間ロサンゼルスへ滞在した時のことをよく思い出していました。日本にはない多様な価値観や文化、考え方は自分自身が大切にしている「ハッピーに生きる」という考えにマッチしているものでした。
日に日にまた海外で生活したいという思いは強くなり、意を決して会社を辞め、ワーホリを活用してオーストラリア一周を目標に旅に出ました。現地で語学学校に通いながらアルバイトをして過ごすなかで海外での時間はやはり自分の生き方に合っていると感じました。そして、現地のツアーガイドの方と話しをしている時に「ニセコの雪質がとても良い。毎年通っている」と聞いてニセコに興味を持ちました。
もともとスノーボードは好きだし、学生時代からチャンスがあればスノーリゾートで働きながら毎日スノボを楽しむ生活をしてみたいと考えていました。

ニセコをすすめてくれた現地ツアーガイドの方と
オーストラリアではイチゴファームで働いていた飯田さん


ワーホリから帰国後は神奈川で生活をしていましたが、「ニセコへ行きたい」という気持ちを常に感じていました。
そこで2014年11月から半年間、スノーリゾートバイトでニセコに短期で住みました。当時29歳、これからの人生を考える時間としても良い時間になったと思います。その後、関東に戻り、東京にある広告代理店で仕事を始めましたが、やはり自分には海外のような空気感のなかで生きていく方が向いていると感じ、今度こそ短期ではなく本格的な移住をしようと思い、当時東京ビックサイトで開催されていた移住フェアに足を運びました。そこで偶然、ニセコ町の紹介ブースを発見。 ブースで相談対応をしていた、当時ニセコ町の地域おこし協力隊だった小曽納さんと、川埜さん(現・ニセコ町役場 企画環境課自治創生係長)にじっくり相談をして、地域おこし協力隊という制度があることを知り、エントリーしました。
2019年7月、34歳からニセコ町地域おこし協力隊として活動を始めて今に至ります。


■ニセコ町地域おこし協力隊ではどんなお仕事をされているんですか?

にこっとBUS予約センターで受付業務を担当する飯田さん。

わたしの配属先はニセコバスです。
ニセコ町が支援し、ニセコバスが運行しているデマンドバス「にこっとBUS」のオペレーターとして地域の交通サポートをしています。「にこっとBUS」は決まった路線を運行する一般的なバスとは違い、電話一本で迎えに来てほしい場所と行きたい場所の予約ができるバスで、町内で車移動が難しい方や、ちょっとした距離の移動などでも自由に使えるので、町内の方々から重宝されています。


■ニセコ町に移住して3年間、良かったこと/困ったことをそれぞれ3つ教えてください。

⛄ニセコ町に移住して良かったこと
第1位:通勤時間からの解放
自然が身近なこと。人混みもなく日々心が平和でいられる。
東京では毎日電車で片道2時間かけて通勤していたのが、移住後は車で片道10分程になり、とても快適です。満員電車に乗らない生活がこんなに快適なものとして感じられるとは、それだけストレスだったということを移住して気付きました。
 
第2位:美味しい水と食材
水と食材の美味しさが素晴らしいです。
近くの定食屋さんでも、ニセコ産の野菜をふんだんに使用した料理が食べられて、こんなに美味しいものが並ばずにリーズナブルな価格で食べられることがとても贅沢なことだと思います。

3位:素敵な人たちとの出会いが豊富
ニセコに移住してまず感じたのは、ニセコにはユニークな人が多いということ。例えばスキー場でのニセコルールを作られた新谷暁生さん、同じように移住をされて本格的なワイナリーを作りオーガニックワインを生産されている本間泰則さんなど、ニセコには素敵な方がたくさんいて、まちづくり町民講座で皆さんのお話しをお聞きできることも嬉しい点でした。
ニセコのスキー場では外国人の方も多く、初対面でも一緒に仲良く滑ることも多いのですが、後々聞くとその方が有名な方や経営者の方だったりと、普段の生活のなかでは出会えないような方とも仲良くなれることに魅力を感じます。


⛄ニセコ町に移住して困ったこと
第1位:家賃と光熱費の高さ
想像していたより家賃と光熱費は高かったです。家賃は安いだろうと考えて移住したら、ニセコ町の家賃は札幌とほぼ変わらない家賃価格でびっくりしました。関東では冬の暖房費用もそんなに高いと感じたことがなかったものの、雪国では暖房費用も想像以上に高くなりました。なので、節約を心がけて食事も基本的には自炊生活に変わりました。
(もし飯田さんに冬の平均暖房費をお伺いできたら)

第2位:虫
山のなかにいるので仕方ないんですが、虫が多い。そしてサイズも大きい。蝦夷セミとか、関東で見かける虫より大きいですね。
対策はしても虫は近くにたくさんいるので、とにかく我慢!笑
どうしても困った時には近くの人に助けてもらえるよう頼みます。

第3位:冬場の除雪
冬の間は朝起きて出かける前に、必ず除雪をする必要があります。
玄関前と、車で通勤するので車に積もった雪も除雪が必要。
毎朝おおよそ5分程度は除雪をするので、1ヶ月だとトータルで2時間半もの時間を除雪していることになります。

■飯田さんは今年3月で協力隊を卒業されますが、卒業後はどのような予定ですか?

ニセコ町で出張ネイルサービスを提供する飯田さん

協力隊在任中、出張ネイルサロンで起業しました。 なぜネイルサロンを作ろうと思ったかというと、私がニセコに移住した当時、ニセコにネイルサロンがなくて困ったからです。ないなら自分が作ればいい、そう思いました。
おかげさまで、今は指名して下さる固定客のお客様もいて、特に主婦の方にご利用をいただいています。今後は新たにネイル+送迎サービス付きで、観光客向けにもネイルサービスを提供していきたいと考えています。
ネイルサロンの名前は『イナンクル(アイヌ語で「幸せ」の意味)』で、ネイルを通して小さな幸せを届けていきたいという気持ち込めています。 ちなみにイナンクルのロゴデザインは、地域おこし協力隊の活動中に出会ったニセコ在住のデザイナーの方にお願いをしました。
出張ネイルなのでお客様のご自宅にお伺いすることのほか、町内だと中央倉庫群を使用することも多いです。 シンプルで品のあるデザインが得意。羊蹄山デザインも現在練習中です!

ニセコにはいろんな分野・お仕事で活躍している女性がたくさんいると思います。将来的にですが、ネイルでそんな働く女性を応援し、モチベーションを高めてもらう、ちょっとひと休みして幸せを感じてもらう、そんな取り組みをしていけたらと考えています。
ご興味のある方、企業がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけを!

CHECK>>イナンクルの予約はinstagramから


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飯田さんへ取材をするなかで感じたことは、自分が心地良いと感じることを理解して自分の生き方を自分自身で切り拓いていくこと、そして自分の信念を貫くことの大切さ。この自分自身が何を心地良いと感じるか、自分自身の信念を持つということは、誰でも簡単にできることではないと思います。

オーストラリアでのツアーガイドの方からの話し、移住フェアでのニセコ町ブースでの話しなど、出会いを大切にして他者から勧められたことを受け流すのではなく、導かれたものへ信じて飛び込んでみること。飯田さんのそのピュアな気持ちと自分の可能性に限界を作らずチャレンジし続ける姿勢が、周りの人にも伝わって飯田さんを応援したいという人が集まっているように思いました。


ニセコ町の「移住」と「起業」の話シリーズでは、ニセコで移住・起業された素敵な方を今後も紹介していく予定です。
私のことも取材してほしい!というニセコ町在住の移住・起業者の方も募集中ですので、ぜひご連絡をお待ちしております!(自薦他薦問いません)

■ニセコ町への移住相談はコチラから

■お問い合わせはコチラから



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